ノロウイルス流行時の手洗い
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消毒剤の選択
1)手指に次亜塩素酸ナトリウム系消毒薬を使用してはいけない。
(嘔吐物糞便処理時は、ゴム手袋を使用)
2)流水が原則
 洗面器を用いた手洗いはできるだけしない
3)タオルの追放
  ペーパータオルを使う

手洗いの徹底
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一処置一手洗い。
1)流水、石けん(キレイキレイ等)で念入りに行う。
2-3分行う
2)ペーパータオルで拭く
3)ウエルパスか消毒用エタノールをつけて自然乾燥させる
「流水と石鹸での十分な手洗い」をした後なら、その仕上げとしてのアルコー
ル消毒は30秒程度でもよいかもしれません。

ウエルパスだけなら
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通常15-30秒ですので、これを2,3回反復すると手洗いを全くしなくて
も手指の消毒ができることになります。

ウエルパス
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速乾性擦式アルコール製剤(逆性石鹸である塩化ベンザルコニウムとエタ
ノールの混合物)

逆性石ケン:オスバン等の塩化ベンザルコニウムはすすめない
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耐性菌が多い
緑膿菌
SRSV(小型球形粒子)には表面に膜構造がないので逆性石鹸は無効。
RNAウイルスであるエンテロウイルス(ポリオウイルスもこの中に入ります)
についても同様

職員にもアトピーや手荒れのために今まで述べた方法には従えない、場合には
使い捨ての手袋を供給することで解決可能です。

参考
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消毒剤マニュアル
http://www.kenei-pharm.com/medical/pdf/useful/shoudokukannrenn_03.pdf

キレイキレイ
http://www.tt-techno.co.jp/gyoumu_seihin/73-36.html
製品名:キレキレイ薬用泡ハンドソープ
有効成分:表示成分:トリクロサン、プロピレングリコール、エデト酸塩、安
息香酸塩、香料、ジブチルヒドロキシトルエン、赤401

ウエルパス
http://www.maruishi-pharm.co.jp/med/main_product/wel/

オスバン
http://www.nihon-pharm.co.jp/products/osvan/osvan_s.html 
ベンザルコニウム塩化物(塩化ベンザルコニウム) 10w/v%水溶液

http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
Q15 手洗いはどのようにすればいいのですか?
A15
手洗いは、調理を行う前(特に飲食業を行っている場合は食事を提供する前
も)、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等
を行った後(手袋をして直接触れないようにしていても)には必ず行いましょ
う。常に爪を短く切って、指輪等をはずし、石けんを十分泡立て、ブラシなど
を使用して手指を洗浄します。すすぎは温水による流水で十分に行い、清潔な
タオル又はペーパータオルで拭きます。石けん自体にはノロウイルスを直接失
活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイル
スを手指から剥がれやすくする効果があります。

http://www.kansensho.or.jp/sisetunai/2006_10_pdf/11.pdf
ノロウイルスと診断された発症者のみに注意を払うのではなく、流行期には
症状の有無にかかわらず(石けんと流水による)手洗いを徹底することが
重要と考えます。

塩化ベンザルコニウムを含む逆性石鹸
http://www.kansensho.or.jp/sisetunai/pdf/02.pdf
Q45(消毒・滅菌)
給食センターレストランの厨房等における標準作業書に準じ、0.2%逆性石
鹸液に手指をつけよくこするか、1%逆性石鹸液に手指を30秒程度つける方法
を考えていますが、1.1%逆性石鹸液に30秒程度つけるという方法を取る場
合、逆性石鹸液は、どの程度の頻度で取替える
のが妥当でしょうか?2.液を手につけ手指をこする方法と、洗面器にため
た液に手指をつける方法では、消毒効果に差はあるの
でしょうか?

A45
給食関係の手洗いにどのような消毒液を使うのが適切か、できれば統一した
い、というご要望だと思います。
腸管出血性大腸菌O157:H7に代表される細菌類の消毒には確かに逆性石鹸で
十分だと思います。ただ、使用する濃度は洗面器で使う場合には最終濃度が0.
02%だと思います。0.2%というのは濃厚過ぎるように思います。但し、医療機
関での消毒でも最近では洗面器を用いた手洗いはできるだけしない、という風
に変わってきております。理由は、このような方式では消毒液が容易に汚染さ
れ、これが他の人にも広がる可能性があり、緑膿菌などは逆性石鹸では消毒さ
れないことが非常に多いことが根拠です。となると、結局流水と石鹸で念入り
に手洗いをするのがよい、ということになります。

 ウイルス感染症に対しても対応せねばなりませんが、給食を通じて感染し得
る病原ウイルスの代表はSRSV(小型球形粒子)でしょう。このウイルスには表
面に膜構造がないので逆性石鹸は無効です。この点は同じくRNAウイルスであ
るエンテロウイルス(ポリオウイルスもこの中に入ります)についても同様で
す。従って、現場で使える方法としては、やはり流水と石鹸で念入りに手洗い
をするのがよいと思います。ただ、完全を期するためには仕上げに速乾性擦式
アルコール製剤(逆性石鹸である塩化ベンザルコニウムとエタノールの混合物
の商品名)か、消毒用エタノールで手に噴霧する方法が考えられます。ただ、
給食担当者の手洗いであることを考えますと、消毒用エタノールが無難です。
塩化ベンザルコニウムを含む逆性石鹸は、食品中に混入することでアトピーを
誘発する可能性も提唱されており、避けるべきでしょう。

ついでながら、先ほど膜のないウイルスは逆性石鹸が無効だと述べましたが、
エタノールも無効です。但し、全く無効なのではなく2、3分間エタノールに
曝露することができればある程度は有効です。速乾性擦式アルコール製剤のよ
うなアルコール性消毒剤で1回手洗いをする時間は通常15-30秒ですので、こ
れを2,3回反復すると手洗いを全くしなくても手指の消毒ができることにな
ります。

「流水と石鹸での十分な手洗い」をした後なら、その仕上げとしてのアルコー
ル消毒は30秒程度でもよいかもしれません。
なお、職員にもアトピーや手荒れのために今まで述べた方法には従えない、
という人が必ずいます。このような場合には使い捨ての手袋を供給することで
解決可能です。